本物の金木犀の香りは、なぜ少ないのか。花から香りを採る難しさと、天然の香りの楽しみ方

本物の金木犀の香りは、なぜ少ないのか。花から香りを採る難しさと、天然の香りの楽しみ方

秋の街を歩いていて、ふと甘い香りに足を止める。日本の秋をいちばん強く感じさせてくれるのが、金木犀の香りです。

最近は金木犀の香りの香水やルームスプレーも増えました。けれどもじつは、花そのものから採った金木犀の香りは、とても貴重なものです。この記事では、その理由と、天然の金木犀の香りの楽しみ方をご紹介します。

金木犀は、一年に一度だけの香り

木いっぱいに咲く金木犀

金木犀(キンモクセイ)は中国原産の木で、学名を「オスマンサス(Osmanthus)」といいます。日本では9月の終わりから10月にかけてオレンジ色の小さな花を咲かせます。

花が咲いているのは、わずか2〜3週間ほど。この短い期間だけ、街じゅうが甘く果実のような香りに包まれます。春の桜のように、秋の訪れを知らせてくれる存在です。

花から香りを採るのは、とても難しい

これほど強く香る花なのに、花から香りを取り出すのは簡単ではありません。理由は大きく3つあります。

枝に咲く小さなオレンジ色の金木犀の花

1. 花がとても小さい
金木犀の花は数ミリほど。たくさんの花を集めても、重さにするとわずかです。

2. 採れる香りはごくわずか
ある化粧品ブランドの発表によると、金木犀の香料を1kg取り出すのに、約900kg(およそ5億個)もの花が必要だそうです。花はすべて手で摘み取られ、香りを取り出すまでには数か月かかるといいます。(出典:WWDJAPAN)

3. 摘めるのは一年に一度だけ
花が咲くのは秋の短い期間だけ。そのあいだに摘み取って、香りが飛んでしまう前に処理しなければなりません。

こうした理由から、花から採った天然の金木犀の香りはとても高価です。そのため、金木犀の香りをうたった商品でも、天然の香料ではなく、香りを再現した香料が使われていることが少なくありません。

天然の金木犀の香りの特徴

花から採った金木犀の香りは、ただ甘いだけではありません。アプリコットのような果実のやわらかさ、かすかな苦みや奥行きが重なり合った、奥行きのある香りです。秋の空気の中で届く、あの懐かしい香りに近いと感じる方も多いはずです。

天然の香りを選ぶときは、成分表示を確かめて

花そのものの香りを楽しみたい場合は、商品の成分や説明を確かめてみてください。「天然香料」「天然精油」などと書かれているかどうかが、ひとつの目安になります。

SCENTの金木犀の香り「SYUUKI」

SCENTのSYUUKI(シュウキ)は、二十四節気の「秋分」をテーマにしたフレグランススプレーです。金木犀を中心に、柚子、白檀(サンダルウッド)、アルモワーズ、山椒を合わせ、合成香料を使わず天然精油だけで調香しました。

柚子のすっきりとした明るさから、金木犀のやわらかな甘さへ。白檀とアルモワーズが落ち着いた深みを残し、夕陽が差し込む秋の部屋のような、穏やかな香りに仕上げています。

金木犀の香りを、花が散ったあとも

金木犀の花が散ったあとも、お部屋で秋の香りを楽しめます。

・カーテンやクッションに2〜3プッシュ
・寝る前に、寝具に軽くひと吹き
・車のシートやワークスペースに

布に吹きかけると、ほのかな香りが心地よく続きます。ただし、革製品や毛皮には使わないでください。使う量の目安やおすすめの場所は、「ルームスプレーの使い方」で詳しくご紹介しています。

一年に一度の秋の香りを、暮らしの中でゆっくりと。

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